耳づくり
月に何回か、ですが、
男声合唱団の練習に
ピアニストとして参加しています。
その団とは、もう10年来、
いやそれ以上。。。
15年ほど!?のお付き合いなのですが。
私が15歳年をとったということは
その頃すでに年輩だったり、
ダンディなおじさまだった団員さんも
15歳増しで、平均年齢は、、、
、、、ちょっとわかりませんが
とにかくシルバー世代です。
練習の合間に、あの人が病気だとか、
昔はああだったとか。
今はこうだとか。
楽譜が見えないとか
よく聞こえないとか
言う話にもなりますが(笑)
良いお話も聞けるんです。
団の最高齢は、元気元気な80代の男性。
とても音楽(特にドイツもの)に詳しく、
私の演奏を楽しみに聴きに来てくださったり
オススメのコンサートや曲、
書籍・記事のことなどを夢中になって
お話くださいます。
今、パイプオルガンを習っておられます!
その方が言うには。
昔は一枚のレコードを擦り切れるまで聴いた。
レコード、あれは最高なんですよ!
今のCDの録音は、演奏者の
腹に力が入る感じとか
息遣いとか、まったく感じられない。
今は一応、CDでもコンピュータでも
いろんなのが聴けるでしょ?
だけど、やっぱりね~
一枚を何回も何回も聴くから
『耳ができる』
おじ(い)さまがたに言わせると
真空管アンプ+レコードが最高らしいです!
私も、どんなに良い演奏でも
CD聴くのは苦手で、
あっという間にBGMになります。
(他のことをしたくなってしまう。)
聴き手としても、演奏家としても
コンサートでのライブ演奏が
一番好きです。
レコーディングのお仕事も
させていただくことありますが
レコーディングのスタジオで取る場合は
『楽器の中から』
(ピアノの蓋の近くにマイクを入れて)
音を録ります。
必要な分子だけを採集するような感じです。
あるレコーディングでは
楽器の都合で、演奏者にもわからないような
雑音が入ってしまう!
と言うので、レコーディング作業は中断。
楽器の調整に半日かかり、
深夜に録音再開。。。朝帰り。
と言うこともありました。
この録音の方法では、確かに
演奏者の呼吸、はもとより
腹の力なんて伝わらないですね。
もちろんホールで録る方法も
コンサートやライブで録る方法も
ありますので、
録音する側のこだわりは
・編集して完璧さを追求する。
・ありのままの臨場感・空気感を大切にする。
・楽器とか音響重視。
などいろいろです。
一枚のレコードを何度も聴いて、
自分の耳をつくる。
=判断基準をつくる。
知り合いのクラシック愛好家は、
(やはり音楽の知識、耳も
素晴らしいのですが)
クラシック音楽がわかるようになりたい!
と思った時に、
1年間のうち、300日以上、
なんでも良いから
クラシックのコンサートに
足を運んだそうです。
最初、ワケがわからなくても、
うまくいかなくても、
とにかくある一定期間、一つのことを続ける。
反復する。
音楽はもちろん
ジャンルを問わず
一つのことを続けるということは、
それだけの期間、それに
触れ続けています。
それによってしか作られない
判断基準があるということですね。
生徒さんでありがちなのが、
新曲を弾く時に
とりあえずYouTubeとかで
誰かしらの演奏を聴いてみて
音を拾い、テンポや音楽を真似してきて
「弾けました~!」
という(^◇^;)
だけど、試しに「誰の演奏聴いたの?」と
いうと、わかっていない。
指導者としては、すごく怖いです。
YouTube等では、
一流ピアニスト~子供の発表会~自分の練習風景
なんでもアップできますから、
闇雲に聴いても、仕方がないですし
とりあえず聴くのなら、
聴かない方が良いかなと。
参考に聴くのなら、
(好みは別にしても)
良いものを聴いて、
良いものに触れ続けて
良いものの、良さがわかる耳を
育てていって欲しいです。
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